浪速のビョークになりたかった

なりたかったけどなれなかった、でもそれでええんです

Grouploveマジで好き、騙されたと思って聴いてほしい

結局明日なんて見たくなくて、いつまでも美しい一瞬にとどまっていたいのだ。

手持ち花火でアスファルトに書いた文字、1月1日山頂に抜けるような寒い寒い星空、春の静かな海とギターと友達とオンボロの軽自動車、西日差し込む美術室のオレンジに輝くブルータスの鼻筋。ホタル、エレクトリカルパレード、クリスマスマーケットの回転木馬、シャチの水槽、夏フェス。はじめてのステージ、はじめての小樽の景色、はじめての夜、はじめての朝。

美しい一瞬。

いくつ思い出せるだろうか?全てインスタにアップしておく必要はない。だけれども心にはずっとその切り抜きを残しておきたい。

 

 

そんなあなたに!!!!

G R O U P L O V E !!!!!!

 

なんと生きてた。なんかもう尻すぼみに消滅ルートたどると思ってた。生きてた。マジでありがとう。日本はもう来ないっすかね。4枚目出ないっすかね。頼む、頼む…

 

 

 

 

 

とりあえず聴いてほしい。だいたいどこの記事でも「ハッピーでとことんポップでご機嫌なLAインディ野郎共」みたいな文脈で紹介されてる。いやそれでもええんやけど。だいたいあっとるさかいええんやけど、ちゃうねんて!!!

解説するから騙されたと思って聴いて?大丈夫いける。いけるて。

 

 

○まず代表曲から!!!

 

1:Welcome to your life

 

2016年発売のサードアルバム「BIG MESS」より主題曲。ボーカルのセバスチャンとハナ夫妻の間に生まれた子どもに捧げられた曲。

これについては一昨年わたしがapollo96にてちょっといいこと言ってる。

後述の「Tongue Tied」(めっちゃ流行って一発屋と呼ばれる所以になったやつね)で、「さよならなんて言わないで、おやすみなんて言わないでよ」そう叫んだ彼らが、子供という存在を経て、変化することを肯定した。

ビデオを見ても感じるように、彼らが彼らの音楽で切り取るものが「美しい一瞬」そのものではなく、本当ならば切り取りようもない「未来」に変わった瞬間なのだ。

 

…なんでか知らんけどマジで謎にええこと言うてるから良かったら元記事読んで。

moon-milk-overtrip.hatenablog.com

 

2:Tongue Tied

2011年のファーストより、iPod touchのCM曲に抜擢されて一躍時の人たる流行りを見せ未だにAppleSpotifyのインディーアンセムプレイリストでクリーンナップ張りがちな名曲。いやマジで普通にいい。普通に涙出てくる。友達とめいっぱい遊んだあとはこれでしょ。アンセム!!!

 

3:Let me in

2014年の映画「きっと星のせいじゃない。/The fault in our stars」挿入歌。

この映画の挿入歌でスマッシュヒットに至ったのといえばCharli XCXの「Boom clap」だけれどもこっちもいい曲なんですよ。ネタバレかますので言いませんけどほんとに…ちなボリウッド版制作されるらしいんやが…何…?

 

○こんなのもやるぞ!!!

 

4:Cannonball

サードより先行配信。これここまで胃もたれするほどにエモかったグループラブの新たな一面として知って欲しくて四番に据え置き。実はサウンドの肝は低音にあって、チップチューン的とも言える音作りにドッカスカのドラムがたまりません。こういうポップと狂気のスレスレもハマればめちゃくちゃクるのに…先行配信の時ウワァ〜〜〜〜一皮剥けてるウワァ〜〜〜〜!!!!ってなったんですけど…

 

5:I’m with you

2013年リリースのセカンド「Spreading Rumors」より。多分先行シングルだったかな。これもかなり従来の型枠エモ量産機からは外れつつも、合唱機能搭載のキラーチューンっぷりは健在。本来緩急と低音のバンドだと言うのが再認識できるんですよ。この緩急の巧みさはある意味J-popに通じるところもあるなと思っていて、なんだか地味なセカンドですけど…この路線でいってほしい…

 

6:Good Morning

サードより。女声ボーカル・ハナの陽だまりみたいな暖かな声がいちばん映えてる曲かも。かなりボーカルテイクで遊んでいて賑やかしくて、それでいてすこし従来よりエレクトリックに冴える前のめりな音と珍しく爽やかなDメジャー進行。新境地の開拓を重ねつつもしっかりグループラブの音で好きぃ!!!

 

7:Borderlines and Aliens 

セカンドより。

マジでライブ映え。やばい。ほんま好き。こういうポップと狂気の狭間がほんとに上手いんすよ。ほんま好き、てかライブ映像見てほんまに痺れるんすよ。うまいわけじゃない(主にドラム)、でもそんなのどうでもいい、これ絶対生で見たくないですか?

あと謎に日本語歌詞です。リアリアリッガット!!!

youtu.be

 

8:Ways to Go

セカンドより。エレクトロと生音がうまく混ざりつつ、なんとなくアーケイドファイアみを感じなくもない。珍しくなんとなく他のアーティストの影響をバッチリ感じるような曲作り。何をやってもグループラブなところめっちゃ愛おしいし好きじゃない人が聞いたらつまんねえとなる要因なんやろけど、好きなんや許せや!

 

9:Save the Party

セカンドラスト曲。…えーん!!!!むり!!!!すき!!!!!!!!

 

10:Traumatized 

サードより。セカンドからじわじわとエレクトロミックスへのアプローチをかましてたりサードも全編通してちょっとずつ音楽性の多様化を見せてきてる中でいちばんシンプルにロックンロール的など直球アプローチで来たグループラブ流パワーコードロック。ウチら世代で流行ったアメリカバンドみんなこんな曲やってたな!!と懐かしなります。

 

 

○なんならこれが本編

 

11:Love will save your soul
12:Cruel and beautiful world
13:Close your eyes and count ten

 

ファーストのケツ三曲。泣くなって方が無理。これはロスから届いたボヘミアンラプソディ。もうマジでこれは三曲続けて聴いて救われてほしい。救済。大人になりきれず子供のままでもいるわけにいかなくて、それでもずっと自分のこと愛したくてもうまくいかなくて、そんな俺たちへの救済。多くは語るまい。

 

 

グループラブは愛です。愛の集団です。

 最後三曲が本当に好きすぎてなんかもう語彙を失ってしまったけれど、

 

・どれも一緒なようでいうほどそうでもない

・緩急差、ポップと狂気のギリギリの狭間の表現、この2点がトラックメイキングにおいてうまい

サウンドの軸は意外とリズム隊

・まあとにかくエモいっていうのはマジでそれ

Grouplove is a most EMO band

・LA版Aqua Timezは悔しいけどしっくりくる

・千の夜をこえてはいい曲

・4th作ってるらしい←NEW!!!!

 

以上です。マジで聴いて!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

ラッキーストライクガール

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タバコを吸う。

17のときにリンゴ・デススターのライブに行き、数人のよくないお友達ができた。よくないお友達は同い年の男の子たちで、市内の子(当時大阪の外れも外れのど田舎に住んでいたのでシティーボーイはちょっと憧れだった)。

よくないお友達はそれなりに音楽の趣味が合ったうえでもっとめちゃくちゃセンスが良くて、ルックスも良くてタバコを吸っていて、バンドをやっていて、私はなんか知らないけどしばらく経ったのちそのバンドに加入して、つられて少しだけタバコを吸っていた。

結局1年も経たないうちに家庭の事情や短大進学に伴って学業が忙しくなって辞めちゃったけど、よくないお友達ふたりが喫い方を教えてくれたラッキーストライクとピースはおのずと私のファーストかつ思い出のタバコとなる。

思い出のタバコは私のリュックにお守りみたいに入っていて、やなことがあった日にだけ大学の小さな喫煙所で、自室の出窓で、帰り道の田んぼの畔で相変わらずコソコソと吸っていた。音楽、地下のライブハウス、タバコ。知らない世界を教えてくれたイケてるお友達、が教えてくれた諸々もすっかり私のものだ。

 

20歳になりインテリアデザイナーで正社員という肩書きを手にすると、公に吸えるのと仕事柄日々頭フル回転なのとおっさん社会なのとでとにかく喫煙量が増えた。

なんとなく吸ってるとナメられない、強くなった気がする。別に周りもそんなんだから嫌な思いすることもあんまりない。22歳を待たずしてちょっと中途半端な年齢で社会に出たものだから、なんだか私の盾になってくれているような気がした。

 

浮気をしたこともあって、好きになった人がずっと吸ってるメビウス6ミリショートボックスを真似てみた時期もある。ベッドサイドに置いておくとなんだかそういうことがあったみたいでニヤニヤしちゃって、それが実現しちゃってからもしばらくは本人が置いていった空箱とガス切れのライターを同じところに置いていた。

案の定うまくいかなかったのでちゃっちゃと(嘘、2ヶ月くらいかかった)ゴミ箱に捨ててラッキーを吸う。涙と煙でよくわからない味がした。

 

仕事を辞めてからはタバコ雑貨屋を兼ねている変な喫茶店でバイトをした。まあまあ楽しかったし洋モクからアルカポネのぶっとい葉巻までいろんなタバコを覚えた。

常連のおじいたちがはじめて吸ったタバコの話をしてくれる。

両切りのピースしかない時代、小屋の藁にあぐらをかき思いっきり肺に吸い込む。クラリときて藁の中に頭を突っ込む。

そんな話にピースの甘い香りと藁の温かな匂いを想像したりして、そんな時間が好きだった。いろんな人と話をした。

ちょっと喫煙者として引け目を感じるこの時代に、1つの娯楽としての喫煙を覚えたような気がしてなかなかにいい経験だったと思ってる。

 

そんなこんなで気づけば一日一箱開けている。激務も至るポッケから出てくる空箱もヤニ臭さも当たり前でまあまあそんな自分が嫌いじゃない。

 

ラッキーストライクはお守りだ。タール11mg500円。多少値は張る、すぐ燃え尽きる。

でもポケットの中でちょっと背伸びしてた頃の自分を携えているみたいで、あのイケてるパッケージをまじまじと見るとなんとなく背筋がしゃんとする。

私のそばにこれからも少しの幸運を運んできてくれよラッキーストライク。体と世間の許す限りでいいからさ。

 

By Beshy

 

【祝・今日から正社員返り咲き】フリーターの間に書いた曲

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たまにGarageBandやアコギ一本で音楽作ります。未熟もいいところなので全然公開はしてないんですが。

半年フリーターやってた間に職安の待合で書いてた歌詞です、たまに靱公園やバイト先の怪しい店で歌ってました。いつぞ公園で千円くれたおっさんありがとう。

まあホントにフリーター期間終わっちゃったので、多分一生日の目は見ないはず。せっかくなので脱フリーター記念にちっさ目の字で残しておきます。ちな曲はだいたいピロウズ意識でした。

 

 

「仕事を辞めたの歌」

 
仕事を辞めた 半ば飛んだよなもんだった

仕事を辞めた あっけないもんだった

仕事を辞めた プライドもまとめて消えた

タバコは辞めない もうイライラもないのにね

 


ああやっと夜も眠れるし 残業休出徹夜もないのに

ああモラハラパワハラセクハラハラハラハラともおさらばで

 


でも歌で食ってくつもりもなければ

フリーランスも金にならない

水商売を多少かじって

手元に残った虚しさ あぁー

なにをやっても全部中途半端で

でもちょっと私は歌えるから 何か変わればいいけど

 


仕事を辞めた とりあえず詞を書いてみる

仕事を辞めた 保険証はたよんないの

仕事を辞めた なにを書いても二番煎じね

タバコは辞めない あの子吸ってたラッキーストライク

 


もう実家に帰ろうかな 夢も希望もあったもんじゃない

ああ悲しくないのに辛くもないのに涙少しハラハラハラ~

 


でも歌で食ってくつもりもなければ

多趣味な方が多少救われて

今日もギターを多少かじって

悪くはないけど虚しいね ああー

なにをやっても全部中途半端で

でもちょっと私は歌えるから 何か変わればいいけど

 


仕事を辞めた なのにまだこんな街にいて

仕事を辞めた 夢もなんにもないのにさ

仕事を辞めた 隙間風にくしゃみしてさ

タバコの煙が月に消える

 

 

「ハロワの歌」

 

ラクなようでそうじゃないんだ

キャンディはあいにく売り切れさ

こんなはずじゃなかったなんてさ

鞄の中身全部ひっくり返してさ

 


自転車はまたひとりで放蕩

無くしてたライターと再会

丸めた紙はなにを書いた?覚えてないや

 


今何してるの?どこにいるの?別にいいよ

今おぼれてんだ どうか放っといてくれよ

 


呼ばれるのをじっと待ってんだ

番号札は手グセでちぎったさ

こんなはずじゃなかったなんてさ

今更遅いの?嘆かせてくれよ

 


君もまたどこかに放蕩

水色の窓は割れたままさ

丸めた紙にはガム捨てたんだ そんなもんさ

 


今何してるの?どこにいるの?別にいいよ

今おぼれてんだ どうか笑ってくれよ

 


今ここにいるよ まだ生きてるよ 悪いけど

今おぼれてんだ 置いてかないでよ

 

→英詞
You may think it’s not hard but it is

I’m not lucky no candies left in a box

It shouldn’t be be like this

 back pack upside down I scatter everything around

  

I am going somewhere alone on the bike again

find lighter i’d lost

what did you write on a piece of paper you’d crumbled? I don’y remember

 
what are you doing? where are you? I don’t care

now I’m drowning leave me alone please

 
I’ve been waiting for you to call for a long time

I always crumble a paper, so I don’t have number tag now

It shouldn’t be be like this

Is it too late? now please pardon me to cry

 
you also going somewhere I don’ know

sky blue window you’d broke

i kept glass broke and putted chewing gum in a paper i crumbled, as always


what are you doing? where are you? I don’t care

now I’m drowning you can make fun of me


what I am doing here, i am alive. I’m sorry

now I’m drowning  don’t leave me alone

 

 

 

「芸短大の歌」


河川敷 銀河鉄道 夕暮れ オリオンのおなか

キミの部屋まで送るよ ぼくの街に列車は止まらない

鉄塔 ビルの群れ 遥か海の街 

晴れた夜はずっと見渡せる

あの映画の曲歌いながら帰ろう

 


マルスもブルータスもうまくいかないよ

キミを描いてたんだ ずっとずっとね

ボーイングが彼方を行く 遠く笑い声が聞こえる

コーヒーでも飲んで帰ろうか

 


遠くまで来たんだ あの日見た光の中にいるよ

銀河鉄道は僕の街で眠りにつく

花の匂い 鉛筆の匂い 芝生の匂い インクの匂い

まだ全部思い出せるんだ

あの映画の結末は誰も知らないままに

 


マルスもブルータスもうまくいかないよ

キミを描いてたんだ ずっとずっとね

いびつなガラス越しにキミを見てたんだ

不味いコーヒーはあの日のままかい?

 


マルスもブルータスもうまくいかなかった

描いたキミをずっと覚えている

紙飛行機に手紙書いておくれよ

 

 

 

「ほなまた…の歌」

 


ミルク色の空に飛行機が刺さる

それからすぐに光が訪れて

シーユーバイバイ

バックシートはキミの荷物でいっぱい

 


甘ったるいラテを真似したんだ

キミの手を思い出すな

 


オレンジとミルク混ぜたみたいな空

真っ赤なギターもサヨナラさ

シーユーバイバイ

なんにもいわなくてもいいよ

 


甘ったるいラテは飲みきれなかったよ

キミのキスの味がしたから

 


海色の空はどこまでも空っぽで

じっと見つめてもUFOなんてこないよ

シーユーバイバイ

空になったバックシートで眠ってみるよ

 

 

 

 以上ゴミの掃き溜めでした。ゴミのわりに酔っ払いのおっさんが「姉ちゃん浪速のあいみょんや!!」とたまにお金くれてたんで、パクれそうな一説あれば存分にパクってください。

というわけでまた今日から頑張ります。

 

By Beshy

 

お絵かきについての反省と自問自答

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あんま絵を描くのが好きじゃない。

 

いやぶっちゃけ私はめっちゃ器用だ。その器用さたるや右手でトランペットを吹き左手でピアノを弾いたり、ガムの包み紙をさらに四分割したやつで鶴折れたりするくらい器用だ。

で、絵を描くって行為は器用な私のできることリストの中でも一番視認性に長けていて、良し悪し評価も付きやすいし人の目に付かせるのも手っ取り早い、よって人脈やお金も産みやすい。実にコミュニケーションツールとして有用だ。

 

…というのは社会人生活を経てからの価値観であって、ティーンエイジの私はふつうに絵で食っていきたい願望のある側の人間だった。

ていうか、自分には絵しかないと思っていた。

創作も二次も外タレファンアートもギャンギャンに描いていた。絵を描くことでしか自己を表現できないと思い込んでいて、消去法にて選んだ選択肢とも言えた。

でも幸か不幸かナマモノ・RPSの方には傾かず(見るけどね)、公式にタグ付けするタイプの「ワンチャン公式認知乞食」の方に育ってしまった。

 

どこで目が覚めたかというと、某イギリスのインディーバンドに私の描いた絵がガチで公式のSNSやブックレットで使われた時。

まず公式媒体で使うならなんか言えやと思った。

でも待てよ、そう思っても人様の顔面を勝手に絵に落とし込んでたのは私やし、バンド側に認知されちゃったのもホントに「(市場開拓できてない日本のファンとか珍しいでっしゃろ?と言った潜在根性が見透かされて)その為にそいつらの音楽聴いてた」構図を認めざるを得なかった、ようになってしまった。

いや気色悪いよ。自己表現なんかじゃない、こんなのオナニーと一緒です。

 

そんなティーンエイジを経て社会人になり公私に渡り様々な人間と交流を持つようになり、まあまあ人付き合いなり音楽制作なり仕事なりで別の自己表現の場を得た私は、案外絵描き行為はアイデンティティの核ではなかったんだな、と順応とも言える気づきを為した。

 

 

でも色々あって4年ぶりくらいにオープンのTwitterアカウントを作り、この1ヶ月ほどはアホほど絵を描いた。

理由としては中学時代の「自ジャンル」ことクイーン、当時もアホほどしょうもない絵描いていたから、始めは懐かしさから。

で、映画ボラプのセリフを引用するなれば「歳の割に悪くない」のがわりと描けると気付いちゃった。そんでもって、やっぱりそれなりに見てもらいたい気持ちはムクムクと。

あとまあ昔から所謂クイーンファンに思うところも色々あったので、私の絵をフックにしてその「思うところ」とやらを書き起こして読んでもらえたらええな、という下心満載で。あと他にも「このジャンル」に生息するという私の友人や、友達の友達を探しに、というオマケも。

…なんとも冗談で言ってたのに案外マジで全部実現されてしまった。なんてこったい。

 

そんなこんなで絵をフックに謎に自身のSNS世界が更に拓けた。上記の下心もとりあえず一頻りクリアしたわけでもう描く意義もないけども、何故かそれからもズルズルと絵を描いた。

不思議なもので(まあヒマなのもあるけど)ティーン時代の命削って自己表現のために絵を描いてた時のルーチンが戻ってきたみたいで、懐かしくてまあまあ楽しかった。

それよりもなにせコミュニケーションツールとしてこんなに有効なものないなと、500も1000もファボが伸び、どこぞの知らないどなたさん方が私の絵の中のなにかしらの話をしている。ああええやん、絵描くの楽しいやん。

 

まあしかし、根本的にあんまり絵描くの好きじゃないんだ。

 

 まずなんというか、いっとき音楽オタクの界隈で流行った「私を構成する9枚」なるタグも、そんな【ワイのファンアート、無事公式化】事件があってからは「ミュージシャンとか有名人とか知らんけど赤の他人に自分を構成されてたまるか」と思ってツバかけてた。無論音楽は大好きだが己とは切り離して人様の作品としての距離を保っていたいのだ。

 

絵描きもなんかまあ、一次創作なりで色々描ければいいものの、現状私のいる土俵は二次創作だ。

「赤の他人に自分を構成されてたまるか」と思っている以上、別に対象が好きで好きでその愛ゆえに描いているわけじゃないんだろうな、しかも絵を描くのが好きで好きでたまらないわけでもないし、少なからず序盤で触れたコミュニケーションツールとして、まあ言っちゃえば「伸びるから描いてる」って節あるよな、と思っちゃった。

 

 自覚しちゃうとげんなりするもんで、あーやっぱり自分の核に絵描き行為は無かったんだ、と。何も変わってない、「ワンチャン公式認知乞食」だったのが対象を変えて大手ジャンルオナニークソ絵描きに変わっただけだ、と。

 

まあでもモノを考えるのは好きなのだ。何か考えればアウトプットの媒体は必要だ。幸い絵はそこそこ描ける、だから描いてる。まあそれで良しとしよう。描くこと自体は好きじゃない、アウトプットの手段としてそこに行為があるだけだ。だからちょっと冷静にならなきゃいけない、承認乞食のままではいけない。

 

私は器用なのでもっと健全な自己表現のツールを色々持っている。また自己表現と称して他人の顔に土足で踏み入るような事をしてあのときと同じ轍を踏むくらいなら、少し頭を冷やしたい。私はこのままじゃ大好きなバンドを私物化どころか電マ扱いし続けてしまう。

 

というわけで4年ぶりの公開アカウントは楽しかった。絵を見てくれた人にもありがとうございましたと言いたい。これから忙しくなるので、仕事と気色悪い承認欲求に折り合いがついた頃またなにか描こうと思います。

 

by beshy

大阪に帰ってきた

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明後日からまた社会人復帰ということで、ここ1週間ほど実家に滞在していた。

最終日の今日は、日曜日ということもあって何故か一家総出で一人暮らしの部屋まで1時間ほど新御堂をぶっ飛ばして送って頂けたのだった。

流れるテールランプとラジオから掛かるビリーアイリッシュ。腹から声を出さない彼女の歌声は排気の音に飲まれ何処か遠くに消えていく。ずっと梅田新道まで続くオレンジ色のランプ、80キロで進む小さな車のなかにオレンジが差し込むリズムは随分とハイテンポで、もう少しゆっくりでもいいと思った。

うとうとしていたらもうすぐに私の部屋のそばで、実家の周りではまず見ないカレー屋、中華屋、ピザ屋の並びがキラキラと列を成している。戻ってきてしまった。

実家で過ごした緩やかな時間が恋しくなり、忙しなく昼夜問わず光が差し込む私の部屋のカーテンの柄を頭から振り払って、庭の梅の木を精一杯思い描いた。

またねとお母さんが野菜のたっぷり入ったスープを持たせてくれた。ちょっとした庭石ほどに重たくてちょっと笑った。お父さんは照れ臭くてどこかでトイレを済ませてくるとコンビニの方へと消えていった。妹は珍しく元気でな!と叫んでいる。

重たい荷物を持って古びたエレベーターに乗ると涙が出てきた。この街を、この部屋を、私は牢獄や地獄の類だとは思っていない。だけど涙が止まらない。

ファン、とよく知ったクラクションの音が鳴った。すると梅の木、土の匂い、大きな峠の夕暮れ、コンビニまでの20分の畦道、妙に実家が恋しくて、また家族にありがとうって言っておきたくて、これからの生活が怖くて、荷物を置いてすぐにまた部屋に鍵をかけ、家族の乗った車をゴミ出しスリッパで追った。

追いかけて追いかけて全力で走って、ついに気付かれずに交差点で見失った。植え込みに腰掛けて、喉から少ししみる血のような味に何ヶ月もロクに運動していなかったことを悔やんだ。トボトボと、来た道を帰る。

また1人になった。 

 

寂しくはない、ここは四六時中と交差点の光が差し込む大都会。隣の部屋からなんだかよくわからないフォークソングみたいなのも風に乗って聞こえてくる。

 

お金はない、勇気もない、技量もない。既卒なのに経験もない。

でも多分大丈夫だ。久々のランニングですこし元気が出た。またやっていける。いい歳してあんなに意味もなく走れるんなら、新しいとこでもきっとうまくいくよ。

そう自分に言い聞かせて、暫く振りの私の部屋をぐるりと見渡す。いいことも悪いこともいい人も悪い人もたくさん訪れたこの部屋、それにこの街も、この春で3年目の付き合いだ。

 

明日からもう少し、私はこの街で生きていくことにした。

 

By Beshy